さて、私が一読した'賢く走るフルマラソン'には最後にマラソンのような持久運動により人類の進化がもたらされたとする'Nature'`Endurance running and the evolution of Homo'という文献が寄せられていたので早速職場の図書室から借りてきて読んでみた。専門外であれ、Natureのreview articleを読むのは久しぶりである。ランニングとは何かというのを改めて考えさせられたのでここにその概要を述べたい。
人類の進化に関しては、四足動物から二足動物への変化として、従来から'歩く'ことが研究されてきて'走る'ことは余り関心を持たれてはいなかった。ところが、この論文では人類は'持久走或いは長距離走'をするために進化したのであり、'走る'が'歩く'の延長線上にあるのではないと著者は種々の観点から分析している。
エネルギー効率:'歩く'際の両足の振り子運動と異なり、'走る'際には下半身のバネを用いる。その発達に寄与しているのが、人類の長いアキレス腱と足踏まずである。またこれによりストライド(歩幅)が長くなることもエネルギー効率を高めてくれる。
骨格の強靭さ:'走る'際には身体に過度のストレスが加わる。そのストレス軽減のため人類の下肢は柔軟でありまた関節面が広くなっている。また腸骨は広く、太腿骨の頚部は短くなっている。
安定性:'走る'際には体幹はより前方に傾く。体幹の安定性のために脊柱起立筋と仙骨の付着面は広く、また大殿筋が大きい。体幹を廻すのには細くて長い腰が寄与している。また上肢帯と頭部が独立しており、結合させているのは僧帽筋のみである。腕を振ることについては肩幅の広さと前腕の短ささが寄与し、ひじは'走る'際は屈曲を維持されている。垂直に向いた首や項部靱帯の存在は'走る'際の頭の安定性み寄与している。
熱制御:'走る'際の熱を発散させるために、人類では汗腺の発達、体毛の減少、細くて長い体型、脳内の静脈叢の発達、口呼吸の併用が見られる。
以上のようなことから'持久走'の発達が人類の進化をもたらしたと推測している。走考えると人間は'走る'ことで人間足り得ると言う事が言える。
ニュース:阿波路舞台に26日スタート 「とくしまマラソン2009」 2009/4/25
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文献:ゆっくり走れば速くなる―マラソン・マル秘トレーニング (ランナーズ・ブックス)
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